アーティストの自主管理スペース LAB39を運営するKim Kangさん達が公園に遊びにきました。

Kim Kangさん達が公園に遊びに来ました

「宮下公園夏まつり2010の準備中です!」の一コマ

「Parkさんと自律空間『Reah』を語る夕べ」

 Parkさん。大阪生まれ、ソウル市育ち。本人は自分のことを「僕は土方だよ」とか「フリーターだよ」とよく言います。実際にそうなのですが、一方で美術家であり、またメディア活動家、珈琲愛好家といった顔も持ち合わせている人です。既に昨年から宮下公園には何度か訪れているParkさんですが、今回も残暑の厳しい公園にやってくるようです。作品を作るかどうかはまだ分かりません。先月ニューヨークでの展示も時間がないからと作品を作らずにギャラリーで珈琲をひたすら作り続け、韓国語でニューヨーカーと語らい合うというパフォーマンスで切り抜けたそうです。

 さて、そんなParkさんですが、昨年から今年の一月末までソウル市の龍山(ヨンサン)地区に存在した「Reah(レア)」という「ギャラリー/カフェ/メディアセンター/とっても貧乏なアクティビストの宿泊施設」を兼ねたスペースを彼は維持してきました。この構成からも推察されるように「レア」はアート、コーヒーとタバコ、メディア活動、運動が混じり合った文化複合空間でした。長いあいだ放置されて電気も水道も通ってなかった建物を自分たちで整備し、一から自分たちの空間を作り上げていったとも言います。この空間が作られた背景には「龍山惨事」というソウル市の再開発に抵抗していた建物の住民に対して、警察の特殊部隊が強引な鎮圧を計った結果、5人の抵抗者と1人の警察官が火災で亡くなったという事件があります。そのため「レア」の文化活動は常に警察権力やヤクザたちに取り囲まれながら行なわれていたと言います。

ところで…..Parkさんによると「僕はレアのボス」とのこと。とはいえ、いろんな人たちがレアを訪れるのは良いものの、誰一人としてちゃんと掃除をして帰らないので、昨年末には「一人ボイコット」を敢行、レアを訪れる人たちの意識改革を迫るなど「ボス」という言葉の響きとは程遠い涙ぐましいまでの努力で活気ある自律的なスペースを維持してきた人です。

 そんなParkさんを8月31日(火曜日)19時30分より、宮下公園にお迎えして「レア」のこと、または自律的なスペースのあり方について宮下公園の現在と交差させながら語り合う機会を持つことになりました。
 きっといろんな話が聞けると思います。ぜひ足をお運びください。


■日時:8月31日(火) 19時30分より (ちょっと遅れる可能性あり)

※雨天中止の場合は当日の16時頃にA.I.Rのブログにてお知ら せします。

http://airmiyashitapark.info/wordpress/

■場所:宮下公園原宿側(渋谷駅から、原宿方面に徒歩2分の線路ぎわ)

■参加費:無料(カンパ受け付けます)

※アルコールの持ち込みはご遠慮ください。
※ゴミは各自でお持ち帰りください。

※授乳・オムツ替えのテント、あります。

※宮下公園は駐車場の2F&陸橋もある公園です。真ん中にある陸橋の下あたり、線路沿いに車いすのひとや大荷物のひとが原宿側に上がれるゆるやかスロープあり。http://airmiyashitapark.info/wordpress/wp-content/uploads/2010/05 /MMAP3.png
■問い合わせ先
A.I.R Miyashita Park メール:airmiyashitapark(at)riseup.net

※(at)を@に変換して送ってください。


■Park Do-young プロフィール:
Park, Do-young
Born in 1981, Seoul, Korea

Candlelight Media Center “Rhea” – member
Media Culture Action – artvister(Art+Activist)
Art collective “MAKK” – artist
Art collective “Microweiv” – artist

http://blog.jinbo.net/makker

artvister@gmail.com

Organizations
2009~ Candlelight Media Center ‘rhea’ Member(http://blog.jibo.net/rhea)
2008~ Art collective “Microweiv” – artist
2005~ 2008 Media Culture Action – activist(Art&media)
2001~ Art collective “MAKK” – artist
2001~ 2006 labornet in S.korea – media activist (http://nodong.net)

Art collective “Microweiv”

Exhibition
2008 Installation Performance, “Sangsang Place”/ Seoul, Korea

Opening Exhibition in Installation Show,
“Space C gallery”/ Seoul, Korea

Media Culture Action

Art&culture Action

2008
Laser Tag&pilot FM radio broadcast “Seoul City Inside”/ Seoul, Korea

2007.11~

“Korea Exchange(KRX) Outside”/ Seoul, Korea

Video Works

2007
Video Performance, “Seoul City Inside”/ Seoul, Korea

2005
Video Performance, “haeundae bathing place”/ Busan, Korea

Internet Broadcasting

2008
Technology(broadcast managment) & Camera, “KCTU” / Seoul, Korea

2006
Art(Studio Design) / technology(Studio construction/broadcast managment),
Culture Action / Seoul, Korea


Art(Studio Design) / technology(Studio construction/broadcast managment),
Jeju island, Korea

2005
Art(Studio Design) / technology(Studio construction / broadcast managment),
Busan KCTU(Korean Confederation of Trade Unions) / Busan, Korea


Art(Studio Design) / technology(Studio construction/broadcast managment),
HongKong Peoples Alliance, HKPA / Hong Kong

Performance

2007 (Stop the Unjust Kor-US FTA Negotiation – Manifesto Conference),
Press Center / Seoul, Korea

2006 (FTA is a monster! – civic festival)
Chung-gae Open Space / Seoul, Korea

(FTA is a monster! – civic festival)
Sunyudo Park / Seoul, Korea

(Cutlural Action day against the Ministry of Culture’s
policy for the Cultural Houses) Ministry of Culture building / Seoul, Korea

(Protest Against The Proposed “Courtesy of Demonstration” law)
Cheonggaechun / Seoul, Korea

(Daechuri Field Day)
Pyeongtaek Daechuri Primary School Playground / Pyeongtaek, Korea

(Anti Korea-USA Free Trade Agreement – Water missile performance)
Technical Support / Jeju island, Korea

Collective ‘MAKK’

Solo Exhibition

2006 SOMA Art Museum / Seoul, Korea

2004 Sungok Art Museum

Chohung gallery / Seoul, Korea

Opening Exhibition of Vinyl Gallery,
Vinyl Gallery / Seoul, Korea

Projects

2003 project 4
Maebong Tunnel / Seoul, Korea

2002 project 2
Traveling Exhibition,
Sonjun Primary School / Seoul, Korea
Stone & Water Gallery / Anyang, Korea

project 3
Jangchung Middle School / Seoul, Korea

2001 project 1
Bangbae-dong Reconstruction Area / Seoul, Korea


Stage Design

2006 ( KINO-PRADA)
TV Studio Design
RTV, a Citizen’s Network / Seoul, Korea

2005 (Deresa Choi Dance Company)
Seoul Arts Center_Towol Theater / Seoul, Korea

(Deresa Choi Dance Company)
Theater of Korea_Main Hall-HAE / Seoul, Korea

Movie Arts
2003 (Studio Iscream, Director Lee, Hoon-gu)
Art/ Property

「Parkさんと自律空間『Reah』を語る夕べ」

「何するねん!」

うぎゃー!

「HOSE 夜の演奏会」音のレポート(27分20秒)(赤文字部分をクリックするとサウンドプレイヤーが開きます)

recorded & edited by Taku Unami

「HOSE 夜の演奏会」当日の写真は4枚

8月15日、EVENさんの作品発表会の様子(写真6枚)

EVENさん作品発表会

EVENさんのワークショップの一コマ(8月13日,写真2枚)

EVENさんワークショップ#01

【HOSE 宮下公園 夜の演奏会】

HOSE
前世紀末より活動するディプレッシヴ・イージー・リスニング五重奏。2007年7月にファーストアルバム『HOSE』を、2008年12 月にセカンド『HOSE II』をリリース。2010年主な活動。1月、円盤ジャンボリーにてju seiと合同演奏。暗闇で泣き続けた後、ケイト・ブッシュとマドンナのカバー。mmmレコ発にて、mmmとkkkをうっかり間違え白い三角頭巾で登場する 失態。その直後、江崎將史トランペット紛失。2月、田中功起ビデオ作品「トンカツに聴かせたいミュージック」をトンカツ屋で撮影するだけのために新潟へ赴 くが、29年ぶりの大雪に見舞われ全員死にかける。委嘱元の新潟市美術館、他の作品から湧いたクモの群れが問題になり、展覧会中止。ほとんど誰にもみられ ぬままお蔵入りに。泉智也、ストレスとラーメンの食べ過ぎにより腸炎をおこし入退院を繰り返す。4月、ポレポレ東中野にて、宇波が音楽を担当した鎮西尚一 『スリップ』上映にあわせて岸野雄一氏と合同ライブ。泉、宇波は覆麺五段。

http://hose.hibarimusic.com/

■日時:8月21日(土) 20時より (ちょっと遅れる可能性あり)
※雨天中止の場合は当日の16時頃にA.I.Rのブログにてお知ら せします。

http://airmiyashitapark.info/wordpress/

■場所:宮下公園原宿側(渋谷駅から、原宿方面に徒歩2分の線路ぎわ)
■参加費:無料(カンパ受け付けます)


※アルコールの持ち込みはご遠慮ください。
 ※ゴミは各自でお持ち帰りください。
※授乳・オムツ替えのテント、あります。
※宮下公園は駐車場の2F&陸橋もある公園です。真ん中にある陸橋の下あた り、線路沿いに,車いすのひとや大荷物のひとが原宿側に上がれるゆるやかス ロープあり。http://airmiyashitapark.info/wordpress/wp-content/uploads/2010/05 /MMAP3.png

■問い合わせ先
A.I.R Miyashita Park メール:airmiyashitapark(at)riseup.net
※(at)を@に変換して送ってください。

HOSE 宮下公園 夜の演奏会

DONT DO IT! のTーシャツ、どうぞ!!

FREE T-SHIRT

8/6 fri -8/16 mon
EVEN(イーブン)さんのA.I.R ARTIST-IN-RESIDENCE PROGRAM

宮下公園のナイキパーク計画に対して、テントを張って滞在制作や展示、イベント、ワークショップを開いている宮下公園アーティストインレジデンスでは、今回、イギリスのリバプールで活躍しているEVENさんのアーティストインレジデンスを企画します。
オープニングでのプレゼンテーションやワークショップ、作品展示など開きますので、ぜひ観にいらしてください。

■The Art Organisation

http://www.theartorganisation.co.uk/


※本日15日(日)の催しです。
8/15. sun 17:00~19:00.  作品展示発表!
EVENさんの作品発表。10日間宮下公園で滞在制作した作品をご覧下さい。EVENさんを囲んでささやかなパーティを開きます。作品について、イギリスでの活動について、いろいろと話が聞けるかも。
【場所】宮下公園原宿側

http://airmiyashitapark.info/wordpress/wp-content/uploads/2010/05/MMAP3.png

<EVENさんレジデンス中のイベント>参加費:無料(カンパ受け付けます)

●8/6.fri 19:00〜. Opening (雨の場合8/7.sat)
19:00〜「The Art Organisation」EVENさんのプレゼンテーション
「The Art Organisation」はリバプールで、ビルのオーナーと交渉して獲得した10軒のビルを使って芸術活動をしています。EVENさんはそのスタッフのひとり。ギャラリー、スタジオ、ライブバー、カフェ、レジデンスなどのスペースを運営しています。

20:00〜質疑応答
20:30〜休憩
20:45〜「街を作る 公園を作る」パネルディスカッション パネラー:EVEN、戸叶トシオ、いちむらみさこ

※お酒の持ち込みはご遠慮下さい。
※ゴミはお持ち帰り下さい。
※授乳室・オムツ替え室あり。
※公園の真ん中にある陸橋の下、線路沿いに、
車イスなどで公園に上れるスロープがあります。

●8/13.fri 8/14 sat 18:00〜16:00〜 Workshop ※16:00から開始です。ご注意ください
シルクスクリーンでT-シャツなどにプリントします。T-シャツとシンプルなデザインのアイデアを用意してきてください。

●8/16.mon〜. Exhibit
EVENさんの滞在制作作品が宮下公園に展示されます!!

●お問い合わせ
airmiyashitapark@riseup.net

EVEN(イーブン)さんのA.I.R ARTIST-IN-RESIDENCE PROGRAM

アトリエ・ワンは、建築理念を語る上で、関東大震災後のバラック研究を通し考現学を提唱した今和次郎(1888-1973)、路上で見つかるすべての物をその観察対象として路上観察学会を立ち上げた赤瀬川原平(1937-)や藤森照信(1946-)らの批判的な継承をうたっています。そこには、大きな資本や権威主義的な建築ではなく、路上に散見される生きる工夫に対する共感や敬意がこめられていたはずです。また、そのような環境と社会が共生する建築のあり方が評価され、第12回ベネチア国際建築ビエンナーレ日本代表にも選出されました。彼らの建築に対する態度を踏まえ、日本館コミッショナーである北山恒は以下のように述べています。

[…前略]2008年の資本主義経済の大きなクラッシュの後、資本権力のアイコンとしての建築が都市の主役から退場し、生活を支える建築のあり方が問われている。都市とは経済活動の場であるのだが、同時にその都市の大多数を占める主役は生活の場である。そこに立ち戻り、20世紀後半に展開した資本のスペクタクルではない、生活を主体とした静かな都市要素の集積が壮大な都市の変化を創ろうとしている、その変化そのものを表現したい。歴史上存在した、あらゆる都市は何らかの偏在する大きな力(権力)によって形作られてきた。私たちが眼前にみる生命体のように変化し続ける現代の東京において、これまで出現したことのない、遍在する弱い力(徹底した民主主義)による都市風景が生まれようとしている。それは、私たちが獲得しなくてはならない、環境と共生する都市、そして共同体としての生活を支える建築の姿を指し示しているようにも思える。

今、アトリエ・ワンがデザインを担当する宮下公園のナイキ化計画が進行中です。そして、その計画の目的の1つが公園内に住居を構える路上生活者の排除です。つまり、この宮下公園ナイキ化計画に加担するということは、北山が批判の対象とする「偏在する大きな力(権力)」による「資本のスペクタクル」を肯定し、同時に、路上生活者などを含む「遍在する弱い力」による「共同体としての生活を支える建築」を真っ向から否定するものでもあるのです。ですから、北山の読み取ったアトリエ・ワンの建築理念を実践するには、宮下公園のナイキ化計画から撤退する必要がある、と私たちは考えます。アトリエ・ワンが引き続き宮下公園のナイキ化計画に参加することは、これまでの業績が批判的検証されることをも意味します。

アトリエワンとまちあわせ

video:http://www.youtube.com/watch?v=p-xlhYCfQWY

When Atelier Bow-Wow explain their philosophy, they refer to people like Wajiro Kon (1988-1973), Genpei Akasegawa (1937-) and Terunobu Fujimori (1946-). Kon established modernology (as opposed to archaeology) through his ethnographic fieldwork on informal shelters that victims of 1923’s Great Kanto Earthquake built, while Akasegawa and Fujimori established Roadway Observation Society in 1986 to shed light on every little thing on the streets that could be a research object for artistic and architectural practices. Should Atelier Bow-Wow consider themselves as successor of these people, then their standpoint would be more in line to sympathise and respect the wisdoms applied to informal shelters such as use of discarded materials than to pursue large commercial, authoritarian architecture. Having been credited for such philosophy, Atelier Bow-Wow have been given opportunity to represent Japanese Pavilion for the 12th Venice Architecture Biennale. Koh Kitayama, the commissioner of Japanese Pavilion, introduces the concept of Japanese Pavilion as following:

Following the devastating crash of the capitalist economy, architecture, an icon of economic authority, has lost its leading role in the city and come to be questioned for its manner of supporting our lives. Although the city is the site of economic activity, the vast majority of its functions are concerned with daily life. Rather than looking at the economic spectacles that were developed over the latter half of the 20th century, I would like to express the fact that change itself, as an accumulation of quiet urban elements with daily life at their core, affects a spectacular influence on the appearance of the city. Throughout history, every city has been shaped by an uneven distribution of power (authority). In contemporary Tokyo, continually changing like a living organism before our eyes, an urban landscape, which has never appeared before, is being born out of a ubiquitous yet weak form of power (complete democracy). This also indicates the form of architecture that we must attain in order to support our lives as a symbiosis between environment and city, and as a community.

Right now, Nike’s project to regenerate Miyashita Park has been undergoing in Shibuya and Atelier Bow-Wow participate in the project as designer. One of the purposes of this project is ruthless gentrification of the park to evacuate homeless people who built informal shelters for living. In other words, Atelier Bow-wow’s participation means to support “the economic spectacles” by “uneven distribution of power (authority) which Kitamoto criticizes, but denies architecture of “ubiquitous yet weak form of power (complete democracy)”, including homeless people, which represents “as a symbiosis between environment and city, and as a community”. We strongly condemn their participation to the Nike’s project. Should Atelier Bow-Wow (Yoshiharu Tukamoto) put into practice their concept Kitayama incorporated in his introduction, they must withdraw from the regeneration of Miyashita Park. If Atelier Bow-Wow continues to participate in the project, their previous achievement should also be undermined significantly.

Atelier Bow-Wow

宮下公園上映会 沖島勲監督『怒る西行』

7/11 「”EMERGENCY” FREE LIVE SHOW」について

 「宮下公園アーティスト・イン・レジデンス(以下A.I.R)」では公園に足を運んだ人たちが出会い、楽しみ、話し合えるような場を作ったり、公園を与えられたものではない形で利用していく意味を込めてイベントを催しています。A.I.Rが自ら企画し主催することもあれば、共催という形でイベントを行なうこともあります。イベントに足を運んだ人たちやイベントを共催する人たちに対して、A.I.Rが管理人のような立場にならぬよう、また、させられぬよう、私たちはみんなで一緒にその場所を作っていくように心がけています。

 私たちが宮下公園にテントを張り、滞在制作を始めた3月15日から3月17日を第一弾A.I.Rとすれば、それ以降は第二弾A.I.Rとして多くのイベントが催されるようになりました。その中の一つとして7月11日の共催のライブ「”EMERGENCY” FREE LIVE SHOW」は行なわれました。

 結論からいえば、今回のイベントに対して三度の警察の介入があり、ライブは途中で打ち切りとなりました。出演7バンドのうち3バンドは演奏をできぬまま終わらざるえませんでした。単なる音量の問題ではなく、警察は二度目の介入から明らかにこれまでのA.I.Rの取り組みに対しての政治弾圧の姿勢で臨んできました。3月16日に宮下公園の原宿側のフェンス封鎖を阻止して以来、一見、公園はのどかな無風状態のように見えていたかもしれませんが、常に緊張状態にあったといえます。区や警察といった権力は、常に私たちを排除せんと公園の様子を伺っていたでしょう。
 また公園を誰もに開いていく日常的な試みの中で、無意識ながらも、声の大きい人、威圧的にふるまってしまう人、女性や立場の弱い人を軽視する発言をする人が公園を訪れ、声をあげることなく公園から遠のいてしまう人たちが出てきてしまうケースもありました。私たちはそのような日常的なレベルでの排除に対しても、より安全な公園を作るという趣旨で対話やワークショップを行なってきました。またテントの存在やA.I.Rの人たちが常に公園にいることによって公園に立寄りにくく感じる人に対しても、誰もが休むことのできるベンチを作ったりしながら「みんなの公園を作る」というプロジェクトを開始しています。最近のイベントでのアルコールの持ち込みについて「ご遠慮ください」「配慮してください」と明記するようになったのは、一見すると不自由に受け取られていたかもしれませんが、多様な人たちが集う公園での「自由」と「安全」について、いま・ここで根底的に考えていく試みの一端であったことを理解していただければと願っています。11日のライブイベントは、ナイキパーク化を阻止しながら「公園をひとびとが作る」という試みが孕んでいる複数の力を一見のどかな公園に顕在化させた点で意義があったと私たちは考えています。

 演奏中の音を止めて様子を伺う、状況説明をしようとする人のマイクを奪って演奏を始めるーー警察の介入時において出演したミュージシャンたちの対応もさまざまで、「表現と場」についての問題も先鋭的に出されたと考えています。海外のある政治的な場でのライブでは、警察の介入があった際にステージ上からみんなと一緒になって闘ったミュージシャンがいました。私たちは、これらいずれに対しても直ちに判断を下すのではなく、表現、自由、安全、公共空間について考え、対話を続けることによって「公園をひとびとが作る」試みを多くの人と一緒に実践していきたいと思います。

 11日のイベントではA.I.Rとして「セイファー・スペース」の取り組みも行なっていましたが、その成り立ちや意図が必ずしもみんなにきちんと伝わっていない様子でした。また警察介入にあたって出演アーティストや来場者に対して、しかるべき情報共有ができていなかったところがあります。混乱があったとはいえ、これらについては「みんなで一緒にその場所を作っていく」という私たちの試みが十全ではなかったと言わざるえませんが、だからこそ今後もこの取り組みを継続していきたいと考えています。

 最後に。警察は「公園ではなくライブハウスで演奏すればいいんだ!」と私たちに言い放ちました。警察の言い放った言葉を私たちは反転させましょう。ライブハウスは公園ではありません。公園に集い、表現することについて11日のライブに立ち会った人たちは、それぞれで考えを反芻し、深めて欲しいと私たちは願っています。そして、また再会しましょう。イベントだけではなく、日常の静かで力強い公園の中で。

(宮下公園 アーティスト・イン・レジデンス)


※PINPRICK PUNISHMENTの文章はこちら

7/11 「”EMERGENCY” FREE LIVE SHOW」について

【宮下公園野外上映会vol.7 沖島勲監督『怒る西行』】

 東京・渋谷にある宮下公園が存続の危機に直面しています。渋谷区が 大手スポーツメーカーのナイキジャパンに公園の命名権を売却し、 スポーツ施設を設置した「宮下NIKEパーク」への改修工事が行われようとしています。一企業の利益優先や野宿者排除など、多くの問題を抱えたまま「宮下 公園のナイキ化計画」は、民主主義的な手続きを踏むことなく、区長や一部の議員のトップダウンで強引に進められてきました。そのような状況のなかで「宮下 公園 アー ティスト・イン・レジデンス(A.I.R Miyashita Park)」は公園という場所に身を置きながら、日々の行為や表現を通して誰もがアクセスしうる公共空間とは何かを考え、自力で「公園」を作ることに取り 組んでいます。

 一方で、玉川上水もまた東京都が推し進める放射五号道路建設計画に従い再開発の危機に晒されています。玉川上水縁の散歩道を日々散策していた沖島勲監 督がその事実を知り、撮影に至ったのが『怒る西行』です。『怒る西行』は再開発反対を前面に押し出した映画ではありません。日々、歩き、思索を深めていた 場所と人間の関係性の豊かさや、そのような場所が失われることについて静かに描き出します。
 「多少でもいいから『地面』に立ってないと幻想すら生きていけない」、沖島監督はそのように語ります。思えば宮下公園の地下にも暗渠化された渋谷川が今 でも流れています。再開発の危機にある玉川上水の映画を宮下公園でぜひ観ていただきたいと考えています。

上映作品:『怒る西行』(2009年/97分/カラー/DV撮影)沖島勲監督 
にちじ:7月23日(金) 日没より(19時30分頃から。映画上映自体は20時頃を目処にしています) 
※雨天の場合は翌日24日に順延となります。中止の場合は当日の15時頃にA.I.Rのブログにてお知ら せします。
ばしょ:宮下公園原宿側(渋谷駅から、原宿方面に徒歩2分の線路ぎわ)
●映画上映後、沖島勲監督のアフタートークあり
参加費:無料(カンパ受け付けます)


■沖島勲監督『怒る西行』についてのコメント

「新緑の中を吹く風に問うたもの……。」
とにかく、自然に作られた映画です。
五年半勤めた熊本の大学を辞めたのが、’07年の3月。’08年の11月には若いスタッフの前でこの企画について口にし、協力を依頼してい る。一年半の空白の後、又ゾロ、講義でもしたくなったかと思われると恥ずかしいが、そう云う気持ちがゼロではなかったにしろ、私は在学中にやっておきたい と思い、結局面倒臭くって止めてしまった“講義録”を残しておきたいと思っていたのだ。
私が教えていたのは勿論、基本的には映画・映像だが、そこからはみ出したものが随分多かった。と云うよりも、表現の基本、その欲求の根元にな るようなものを、自分の個人的な体験を交えて話すことが多かった。その講義録を、映像でやってしまえと、思ったのである。
そうすると極く自然に玉川上水添いの散歩道という“場所”に結びついた。
私はかれこれ40年近く、井の頭線・久我山駅近くに住んでおり、今は世田谷区だが玉川上水には今迄で一番近い。この場所に住んで既に20年に なる。今回歩いた井の頭公園へ至る道は、片道一時間半はかかるから、そんなにしょっちゅう歩くわけではないが・・・・・歩く度に、自然と人間(人工物)と の“童話的”とでも呼ぶしかない、不思議な絡み合いを感じる場所だ。
ところで皆さんは、例えば自分の立っている“時代”と言ったものを、どのように感じていますか?堅固で、リアリティの有するものとして感じて いますか?
私には近年、それがドンドン溶解して行っているように思えてならないのです。その時-我々と云う不思議な生物(自然)は何をとっかかりにして 生存して行けば良いのか・・・・新緑の中を吹き渡る風の中に、そのような問いを発したのです。
(沖島勲)

■沖島勲プロフィール

1940年生まれ。日本大学芸術学部映画学科在学中より足立正生らと『椀』『鎖陰』を製 作。若松孝二や吉田喜重の助監督を務める。若松プロから『ニュー・ジャック・アンド・ヴェティ』(69)で監督デビュー後、TVアニメ『まんが日本昔ばな し』のメインシナリオライターとして約1400本の脚本を担当。他の監督作は『出張』(89)『したくて、したくて、たまらない、女。』(96)『YYK 論争 永遠の“誤解”』(99)。2005年にDVD-BOX『沖島勲全集』がリリースされる。2008年公開の『一万年、後‥‥。』は一万年後の日本に タイムスリップした中年男が幼い兄妹と繰り広げる珍問答を通して現代社会のひずみを浮かび上がらせる異色の会話劇。どのジャンルにもカテゴライズできない 大胆不敵な発想で注目を集めた。最新作は初のドキュメンタリー『怒る西行』(2009)。

※映画芸術シネマテークvol.5 『怒る西行』トーク 沖島勲 × 稲川方人(詩人)

http://eigageijutsu.com/article/136192614.html


■『怒る西行』に寄せられたコメント
緑に包まれ 風の声を聴く。
心の琴線に触れる散歩道でした。
安藤忠雄(建築家)
——–
これは哲学映画?、いや、映画哲学??
一万年、後……の先に流れていたのは、なんと玉川上水だった!!
井の頭の長閑な散歩道に、ふと宇宙の深淵がその虚空を開く。
時空を超えた壮大な思想の渦、そして思わず脱力する渾身の駄洒落!!!
ただ沖島監督が女の子とぶらぶら話しながら歩いてるだけの映画が、どうしてこれほどまでに刺激的なのか?
映画史上ついぞなかった、エクスペリメンタルかつアンビエントなロードムービーが、遂に登場した。
佐々木敦(批評家)


■上映にあたって
※アルコールの持ち込みはご遠慮ください。
※ゴミは各自でお持ち帰りください。
※授乳・オムツ替えのテント、あります。
※宮下公園は駐車場の2F&陸橋もある公園です。真ん中にある陸橋の下あたり、線路沿いに,車いすのひとや大荷物のひとが原宿側に上がれるゆるやか スロープあり。

http://airmiyashitapark.info/wordpress/wp-content/uploads/2010/05/MMAP3.png

■問い合わせ先
A.I.R Miyashita Park
メール:airmiyashitapark(at)riseup.net
※(at)を@に変換して送ってください。
ブログ:http://airmiyashitapark.info/wordpress/

宮下公園野外上映会vol.7 沖島勲監督『怒る西行』

どなたかのプレゼント。服が大量に置いてありました。

7月10日 服の差し入れ

“EMERGENCY” free live show @miyashita park shibuya

7月11日(日)

宮下公園原宿側にて13時くらいから始めます(終了は19時くらい)

出演者

▽pinprick Punishment

▼Diskriminados

▽DJ Discharge

▼Groaning Groove

▽DJ Red-X from Red Bandana Sound System

▼ゲロクソ

▽Schreckwurmer

▼高品格

▽その他素敵な人達

DISTRIBUTOR

★Acclaim Collective

☆Persona Unknown

雨天中止ですが小雨程度ならやります。当日このA.I.R.HPの方でご確認下さい。
A.I.R Miyashita Park

http://airmiyashitapark.info/wordpress/

【注意事項】
・ゴミはお持ち帰り下さい。
・お酒の持ち込みはお控えください。
・授乳室・オムツ替え室あり。
・公園の真ん中にある陸橋の下、線路沿いに、車イスなどで公園に上れるスロープがあります。 【場所】
宮下公園の原宿側 http://airmiyashitapark.info/wordpress/wp-content/uploads/2010/05/MMAP3.png

「EMERGENCY(緊急事態)」の最中、宮下公園で「自由」と「排除からの抵抗」の空間を築いている仲間たち、A.I.R.と共に、みんなが楽しめるライブにしたいと思っています。

連絡先:
personaunknown@ezweb.ne.jp(岩見)
itsyou._.taro@docomo.ne.jp(金谷)

7月11日 “EMERGENCY” free live show

江上賢一郎さんが以下のサイトで「ベンチつくる、公園をつくる」という文章を書いてくださっています。

http://urban-potlatch.blogspot.com/2010/07/blog-post.html


「ベンチをつくる、公園をつくる」

東京で、ナイキによる公園の私営化に反対し、スクワットを続けているA.I.Rからの映像。東京都や他の大都市の行政は、意図的に公園や公共スペースから、普通のベンチを撤去しており、その代わり、長時間座らせないようにデザインされたベンチ(座る場所に傾斜がついているものや、間仕切りして横になれないようにしているもの)を設置している。このベンチの存在に気がついたのは、確か2004年頃、東京の上野公園でやけに座り心地の悪いベンチがあることに気がついたときだと思う。噴水前に並んでいたそのベンチは、一見、木製の普通のベンチだけれど、いざ座ってみると、傾斜がつけてあり重心が前方に来てしまい、中腰の姿勢になってしまうし、ベンチに仕切りがついているので横になることもできなかった。こういうふうに、ベンチという一見 という人を受容する機能の中にすら排除の論理を組み込むことに対する強い憤りと、同時に圧倒的な資本と権力のソフトパワーが街に浸透することへの無力感を感じたのを覚えている。

けれども、もし、そんな不愉快なベンチしかないならば、自分たちで、自分たちが良いと思うベンチを自分たちで作り出せばよいのだ、ということをこの宮下公園の映像は教えてくれる。ベンチを作り、その場所に置くということは、自分たちだけが使うのではなくて、他所から来た人を受け入れることも意味する。座ることで、誰もがその場所をゆっくり味わうように、体をその場に預けることがでるし、追い立てられるように歩かせられる商業空間を離れ、再び土地と身体が繋がっていくのを経験する。ベンチを作ること、そしてベンチを置くことは、資本に浸食されたフラットな空間に、クサビを打ち込む作業のようだ。クサビで開けられた小さな空間こそ、資本の終わりの場所、そして別の社会への想像力が始まる場所だと思う。

手作りのベンチと、下のベンチ、どちらのベンチに座りたい?
寝過ごすと身体に穴があく有料ベンチ

PAY & SIT: the private bench (HD) from Fabian Brunsing on Vimeo.

「ベンチをつくる、公園をつくる」